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クラシック専門 音楽マネジメント
2011.09.16 Friday
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第12回)
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第12回 最終回) 世界最大のビール祭りオクトーバーフェスト(その2) 常に満席の会場で席を取るには
またテントの外の席は空いている可能性が大。中の方が生演奏もあって、オクトーバーフェストならではの雰囲気を味わえるが、外でも十分楽しめる。タバコのにおいが苦手な人や、うるさすぎるのはちょっと…という人は、むしろ外の方がある程度落ち着いていて良いだろう。でもとにかくドイツ人と一緒に踊りたい!と言う人は、がんばって中で席を探すべし。どちらにしても根気よく探すことが大切。 華やかなオクトーバーフェスト・パレード
パレードは、バイエルン州の州議会議事堂であるマクシミリアネウム(Maximilianeum)前でスタート。そこからバイエルン政府関係の建物や高級ブランド店が立ち並ぶマクシミリアン通り(Maximilianstraße)を通り、バイエルン州立歌劇場のところで右に曲がり、オデオン広場(Odeonsplatz)でUターンし、カールス広場(Karlsplatz)方向へ。そこからゾンネン通り(Sonnenstraße)、シュヴァンターラー通り(Schwantahlerstraße)と進み、お祭り会場のテレージエンヴィーゼ(Theresienwiese)に到着します。「オデオン広場」はパレートのちょうど中間地点で、ここには段上の観客席が設けられており、ミュンヘン市長、バイエルン州首相が座っている。
初日のオープニングパレード オクトーバーフェスト初日にも、規模は小さめだがパレードが行われる。これはビールメーカーやテントなどの各出店者が豪華な馬車に乗ってパレードをしながら会場入りし、お祭りの幕が開けるというもの。参加者は約1000人ほど、ルートも2日目のパレードより短いですが、こちらも同じく音楽隊や民族衣装を着た人々の行進が見られます。スタートは午前10時45分。正午にはパレードが会場に到着し、ミュンヘン市長によるビール樽の開栓が行われ、いよいよオクトーバーフェストが始まりだ! 会場へのアクセス方法 会場へは主にUバーン(地下鉄)かSバーン(都市近郊電車)で行く。 トイレは? ドイツでは、トイレのことを「00」と表すことがある。数字のゼロが二つ並んだものなのだが、オクトーバーフェストでもこのような表示がされていることが多い。広い会場内でも遠くからこの印が見えるので、とても便利。ちなみに弓矢を持った男の子が、トイレの上に座っている。 会場での注意点 スリには十分気をつけたい。手ぶらで行くのが一番だが、なかなかそうもいかないと思うので、最小限のものだけを持ち貴重品は身につけないようにしたい。特に夜は人ごみが激しくなるので注意が必要。また夜になってくると、酔っ払いも増えて来るので要注意。明らかに飲みすぎでアグレッシブになっている人もいるので、からまれたりしないよう気をつけよう。 2011.09.14 Wednesday
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第11回)
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第11回) 世界最大のビール祭りオクトーバーフェスト(その1)
オクトーバーフェストの会場は、ミュンヘン西部にある「テレージエン・ヴィーゼ(Theresienwiese)」という42ヘクタールの巨大な敷地。そこに14の大テント(ビアホール)と16の中小のテントが立ち並んでいてまさに壮観。大テントのキャパシティーは6000〜7000席。テントの外にはさらに数千席が用意されているという、桁違いの規模。これらが期間中は、朝から晩まで通して満員状態に。席を取るのはもちろん至難の業。 各会場では中央にステージが設置され、ブラスバンドが演奏してい.。バイエルンの陽気な民族音楽やポップソングに合わせて、ビールジョッキを片手に歌い踊る人たち。時々、音楽とともに乾杯の合図が流れてくると、一斉に「Prost(プロースト=乾杯)!」というかけ声が会場全体に響き渡る。このとてつもなく広い会場、大音量の音楽、椅子の上に乗って踊る人々のテンションの高さは、初めての人にとってはかなりショッキングな光景だと思う。 また人々が着ているバイエルンの民族衣装にも注目したいところ。女性はチェックやストライプ、花柄などのふわっとした農民風ワンピース、男性は革の半ズボン。若い人も年配の人も多くが普段は着ない伝統的な衣装を身にまとう。日本人が浴衣を着て縁日に行くのと同じことか。 ミュンヘンのビール醸造所が特別に造る「オクトーバーフェスト・ビール」
またオクトーバーフェストでは、ビールは1リットルサイズしかない(!)。この1リットルジョッキは「Maß(マス)」と呼ばれ、たくましい腕をしたウエイトレスさんが両手に何本も持ってテーブルに運んでくる。ちなみにバイエルン以外の地域の人たちは間違って「マース」と発音することが多いのだが、「マス」が正しい発音。ミュンヘンで「マース」と言うと「“マス”だよ」と直されることも。
オクトーバーフェストのもう1つの見どころは移動遊園地。毎年この期間のために組み立てられ、お祭りが終わると撤去される遊園地で、ジェットコースターやフリーフォールなど絶叫マシン系もある本格的なもの。「移動遊園地でジェットコースターって大丈夫なの?」と思う人も多いと思うが、ドイツ(ヨーロッパ)ではこれがごく普通なのでご安心を。他にもバイキング、メリーゴーランド、お化け屋敷などいろいろあるが、中でもオススメは観覧車。上からはオクトーバーフェストの会場全体、さらにはミュンヘンの街並みが見渡せて、旅の最高の思い出になるはず。 2011.09.12 Monday
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第10回)
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第10回) バイエルン伝統のビアガーデンに行こう!
バイエルン州の定める「ビアガーデン条例」 さすがビールの国、さすが法律の国。ドイツのバイエルン州には、「ビアガーデンのあり方」をきちんと定めたビアガーデン条例があります。1999年5月に施行されたこの条例の背景には、ビアガーデン革命と呼ばれる出来事があった。ミュンヘンのある老舗ビアガーデン周辺の住民が訴えた騒音に対する苦情により、一旦ビアガーデンの営業が21時半までに規制されたことを受けて、2万5千人の地元市民がデモを行い、「バイエルンのビアガーデンの伝統を守るべきだ」と抗議したことを受け、バイエルン州は「ビアガーデン条例」を発効。「バンド演奏は22時まで」、「ラストオーダーは22時半」、「遅くとも23時までには家路に着く人々の流れも落ち着き、静かな状態になっていること」などの、騒音に関する規則の他、「ビアガーデンの定義」もきちんと盛り込んだものとなった。 定義の二つのポイントは、『その1 緑に囲まれた「庭」のような雰囲気であること』そして『その2 食べ物の持ち込みが許可されていること』。まずその1については、「大きな木々が茂り、木陰に座ることができるビアガーデンが理想的。住宅が密集する地域に住む人々にとっては庭の代わりとなり、緑の中で過ごせる場所を提供できる」、と説明されている。そしてその2の食べ物の持ち込みに関しては、「ビアガーデンは社会の様々な階層の人々が共に集うことのできる大切な場。食べ物の持ち込みを許可することにより、収入の少ない人もお金をかけず、気軽に足を運ぶことができるようになる」、との理由付けがなされている。 ビアガーデンがバイエルン州においていかに重要なポジションを占めているか、ご理解いただけたであろうか。 ビアガーデンの良さや大切さが、条例の中で真面目に説明されているところがいかにもドイツらしいところだが、それはビールはドイツが誇る、長い歴史を持つ大切な文化。その伝統を守っていこうという、人々のは真剣な思いなのだ。 ビアガーデンはセルフサービス
飲み物は1リットルジョッキのビール、ハーフサイズ、白ビールなどの他、ラードラーというビールとレモネードが半々の甘くて暑い夏にはぴったりの飲み物や、もちろんジュースなどもある。お料理は、定番のローストチキン、フライドポテト、サラダ、サンドイッチなど、ボリュームたっぷりのものから軽食まで。ビールのおつまみに欠かせないブレッツェル(塩味のきいたパン)も欠かせない。ただ、あくまでもビアガーデンなので、レストランなどと比べると味のレベルはどうしても下がる傾向が。前もってパンやチーズ、そのまま食べられる薄切りソーセージなどを買って行くのもオススメ。 コミュニケーションの場でもあるビアガーデン
2011.09.09 Friday
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第9回)
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第9回) ミュンヘンの朝食、 白ソーセージと白ビール
もう一つの特徴は、「甘いマスタード(Süßer Senf)」を付けて食べるということ。マスタードと言えば普通、黄色くて辛いものだが、この「甘いマスタード」は茶色くドロッとしていて本当に甘い。白ソーセージは味が淡白でとても控えめなので、甘いマスタードをたっぷりつけることで美味しさが一段とアップ。このマスタードは大抵のスーパーで売っているので、味が気に入ったらお土産に1ビン買っても良いかも。 レストランで白ソーセージを注文すると、お湯に入った状態で出てくる。白ソーセージは焼くのでもなく、茹でるのでもなく、お湯で温めて食べるものだそうで、なんでも沸騰したお湯の中で茹でると、皮が破れて旨みが外に逃げてしまうためらしい。
白ソーセージの正しい食べ方 「白ソーセージの皮は取る」と前述したが、生粋のミュンヘン人は白ソーセージを食べる時、フォークもナイフも使わず、手でソーセージを持ってマスタードを付け、皮から中身を吸い込むようにして食べる…これがツウの食べ方とされている。決してお行儀が良いとは言えないので、くれぐれもレストランではやらないように。 フォークとナイフを使っての食べ方は、ナイフでソーセージに横に長く切り込みを入れ、フォークとナイフで一口分ずつ皮からはぎ取って食べるという方法。そして白ソーセージのお供はブレッツェル(塩の付いたパン、別料金)と昔から相場が決まっていて、間違ってもザワークラウト(キャベツの塩漬け)やポテトサラダなどを付けるのはタブ−。これにフレッシュな味わいの白ビール(小麦入りのバイエルン特産ビール)を合わせれば、完璧な「白ソーセージ朝食」のできあがり! 少し遅めの朝食としてこのメニューを食べることが多いようだが、でも午前中からビールって…(でもドイツ人は平気で飲んじゃう)。ドイツの中でも特にビールをよく飲むバイエルン地方らしいメニュー。
白ソーセージのオーダーはお昼までに バイエルンには「白ソーセージに正午の鐘を聞かせてはならない」という言い習わしがある。これは、「白ソーセージは午前中のうちに食べなければならない」という意味。冷蔵庫のなかった時代、日持ちしない白ソーセージはその日の朝に作り、できるだけ新鮮なうちに食べなければならなかったのだ。冷蔵のできる現代では2〜3日は持つのだが、「白ソーセージを午前中に食べる」という風習は今でも残っていて、営業時間を通して夜まで白ソーセージを注文できるレストランもあるが、お昼の12時までしかオーダーできないところも多い。時間内でも、その日の分はもう終わってしまっている場合もあるので、どうしても食べたいときは、店に入るなりまず「白ソーセージはありますか?」と聞くのが良い。 白ソーセージと甘いマスタードに、ブレッツェルと白ビールを添えたミュンヘンの朝食。地元の多くの人が、「この組み合わせ以外は考えられない!」と強いこだわりを持つミュンヘン名物。みなさんもぜひ味わってみていただきたい。ミュンヘンのドイツ料理レストランなら、普通どこでも食べることが可能。 2011.09.07 Wednesday
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第8回)
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第8回) 芸術とビールの街、ミュンヘン(その2) ミュンヘンが「ビールの街」の訳
市内にはミュンヘンのビール醸造所直営のビアホールがたくさんあり、その最も有名なのはホ−フブロイハウス(Hofbräuhaus)。毎日バイエルン民俗音楽の演奏が行われ、歌って踊って大騒ぎのホール内は、年中オクトーバーフェストといった感じ。お祭り好きの人にはとても楽しい空間なのだが、来ているお客のほとんどが観光客というのも驚かされる。
そして筆者の一押しがこちら、ヴァイセスブロイハウス(Weissesbräuhaus)このビアホ−ルもまた白ビ−ルの製造に関しては一家言をもつシュナイダ−醸造所の直営で、1階の手前にはどこのビアホ−ルにでもある12名がけの大きなテ−ブルがあり、週末はバンドが入ることもある。奥には4人から8人がけのテ−ブルがある。さらに2階はいくつかの小部屋があり、こちらは落ち着いている。2階の小部屋のひとつにはミュンヘンが生んだ大作曲家、リヒャルト・シュトラウスのオペラ装置や衣装のスケッチが飾られている通称『シュトラウス・サロン』があり、実際に見ることも出来る。 2011.09.05 Monday
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第7回)
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第7回) 芸術とビールの街、ミュンヘン(その1)
旧市街では教会めぐりとショッピングを楽しもう ミュンヘンの中心は新市庁舎のあるマリエン広場(Marienplatz)。この広場から四方に伸びた道沿いにはレストランやお店が立ち並んでいて、いつでも多くの人が行き交い活気に溢れている。歩行者天国になっているところが多く、ドイツ人が日常のショッピングをする様子も観察できて楽しい所。 また旧市街にはさまざまな建築様式の教会があり、ミュンヘンのシンボル(街の中心部で最も高い建物)であるフラウエン教会(Frauenkirche)、ノイシュヴァンシュタイン城を建てたルートヴィッヒ2世が埋葬されている聖ミヒャエル教会(St. Michael)のほか、テアティーナー教会(Theatiner Kirche)もとても美しい建築で、ぜひ見学したいところ。マリエン広場近くの聖ペーター教会(St. Peter)の塔の上からはミュンヘンの旧市街が見渡せ、ここに上るのもオススメ。 ミュンヘン市内には豪華なお城が2つ
中央駅からトラム17番で20分ほど行ったところにあるニュンフェンブルク城(Schloss Nymphenburg)は、バイエルン選帝侯の夏の離宮として建てられたバロック式のお城。ここはルートヴィッヒ2世が生まれたところでもある。有名な美人画ギャラリー(Schönheitsgalerie)は、ルートヴィッヒ1世(ルートヴィッヒ2世の祖父)が描かせた36点の美人画コレクションで、その美しさは女性でも見とれてしまうほど。昔の美女たちを見るのは何とも興味深いもの。
2011.09.02 Friday
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第6回)
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第6回) ドイツビールは瓶が主流。缶ビールは邪道!
ビール瓶には1本ごとにデポジット(預かり金)が課され、お店で瓶を返却するとお金も返ってくる仕組みが確立している。1本当たりの金額はごくわずか(10円ほど)だが、ドイツでのビールの消費量は相当なものなのであっという間に何十本もたまり、お店に返却しに行く価値ができるというもの。またこの制度はしっかり定着していて、ビール瓶を返却するのは当然のこと、ビール瓶は捨てるものではない、という感覚がドイツ人の間に根付いているのも事実。 瓶は重く、持ち帰るのには缶の方が断然楽なのだが、ドイツでは缶ビールはそれほど普及していない。ビールにこだわるドイツ人にとって缶のビールは邪道なのであって、味を比べたら瓶ビールの方が格段に美味しい!瓶で飲んでこそ、ビール本来のピュアな味が楽しめる。この点は、ドイツ人のこだわりでもあり、信念ともいうべきもので、「便利・手軽さ」が1番重要なわけではないのが「ドイツ人」ともいえるのだ。 ビールの値上げには断固として反対するドイツ人
時は1844年。原材料費上昇のため、ビールの価格が1リットルあたり1ペニヒ(=0.5セント)値上げされることとなったが、「ビールを値上げするとは何事だ!!」と憤慨した数千人のミュンヘン市民は、醸造所になだれ込み激しく抗議。兵士たちはこの騒動を収めるよう命じられたものの、何とこの兵士たち自身もビール値上げに反対だったため、鎮静活動を拒否!市民による数日間にわたる猛抗議の末、4日目にはついにバイエルン国王ルートヴィッヒ1世が折れ、ビールの値段を元に戻した、という話。 2011.08.31 Wednesday
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第5回)
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第5回) ドイツの代表的ビール(その2) まろやかでフルーティーな上面発酵ビール Weißbier(ヴァイスビア)/Weizenbier(ヴァイツェンビア)
いずれも原料の最低50%が小麦であることが条件で、少し濁った感じの色が特徴。味は実にまろやかで甘みがあり、とってもフルーティー。炭酸が効いているため、フレッシュな味わいも楽しめる。醸造元の多くは、主発酵の後でボトリングし、ボトル内で発酵を完了させる方法をとっている。アルコール度数が高めで少しくせのあるビールなので、ちょっと苦手な人もいるかもしれないが、この手の味が好きな人はハマること請け合い。 最近ではヴァイスビアの人気もバイエルン州に留まらず、北の方へ徐々に広がってきているよう。と言っても北部でヴァイスビアを飲める場所はごくごく限られているし、どうせなら「バイエルンビールの代名詞」とも言えるヴァイスビアは、ぜひバイエルンで飲みたいところ。ヴァイスビアには、下の方が細くなっている専用のグラス(容量0.5リットル)があり、レストランなどでは必ずこのグラスで出される。日本ではめったに味わえないビールなので、試してみる価値大! Kölsch(ケルシュ)
Altbier(アルトビア)
Berliner Weiße(ベルリーナー・ヴァイセ)
ここでは代表的な種類のみご紹介したが、これだけの種類を全部試すのもけっこう大変だ。ヴァイスビアは北ドイツではほとんど飲めないし、ケルシュはケルンにしかないので、自分の足で飲み歩かねばならないのだが、それこそ旅の醍醐味であって、新たな街を訪れるごとにその地元のビールを試してみて、あなたのお気に入りのビールを見つけるのもドイツの旅の楽しみのひとつだと言える。また同じ種類でもメーカーごとに少しずつ味が違うので、それらを比べてみるのも面白いと思う。 2011.08.29 Monday
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第4回)
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第4回) ドイツの代表的ビール 最低限この種類さえ知っていれば何とかなる! という最もポピュラーなドイツ・ビールをチェックしておこう。ドイツ・ビールは種類によってグラスの形状やサイズも異なるのがユニークなところ。それぞれのビールの特徴を案内する。 すっきりとした味わいの下面発酵ビール Pils(ピルス)/Pilsner(ピルスナー)
ピルスは全国どこへ行ってもあるが、特に北ドイツでよく飲まれるビール。独自のビール文化を持つ南ドイツ・バイエルン州では、ピルスの販売数は全体のわずか25%あまりを占めるのみだ。 Helles(ヘレス)/Lager hell(ラーガー・ヘル)/Export hell(エクスポート・ヘル)
「Export」は普通のヘレスよりアルコール度数が少し高め。これは、もともと輸出用に作られていたビールだったため、長い輸送期間に耐えられるよう強めに醸造されたことに由来する。 Dunkles(ドゥンケルス)/Lager dunkel(ラーガー・ドゥンケル)/Export dunkel(エクスポート・ドゥンケル)
Schwarzbier(シュヴァルツビア)
このビールは下面発酵で造られ、アルコール度は約5%。醸造元により味が少しずつ異なる。このビールのダーク カラーは、焙煎したモルトを使用しているため。黒ビールコブレットというグラスを使い、約8℃で飲むのがベストとされている。 2011.08.27 Saturday
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第3回)
短期集中連載 ドイツ・ビ−ル紀行(第3回) ドイツビール注文のポイント
飲食店でのメニューには、ビールの銘柄・種類・サイズ・値段の順に記載されていることがほとんど。銘柄は店によって千差万別だが、ドイツで全国的に流通している数タイプと、あれば地ビールが用意されているのが通常。ドイツ全国どこでもメニューに登場するビールの種類を覚えておくと、注文もスマートにできるというもの。 「とりあえずビール」ではなく「最後までビール」!
バイエルン地方の大きなグラスにしても、その他の地方で使われる普通のグラスにしても、共通して言えることは、同じビールを何杯もおかわりするということ。日本のような「とりあえずビール」というのは存在しえない。ドイツではビールはあくまで主役でしっかり味わうためのものだから、とりあえず喉を潤すために、といった前置きのような扱い方は絶対にされないのだ。 食事をしながらビールを飲み、食べ終わってからもまたビールを追加。食後はそのままビールだけを飲み続ける。食事なしで飲みに行く場合は、ビールだけ注文。おつまみはナシかブレッツェルというパンがつまみ代わりとなる。「食事なしで飲みに行く」というのは、例えば夜に映画を見たあとちょっと飲んでいくとか、初めから夕食後の少し遅めの時間に友達と待ち合わせをし、純粋にビールだけを飲みに行くというような場合などだ。 おつまみもなしで、よくビールを何杯も飲み続けられるなぁと思うかもしれないが、これが意外と自然に体内に入っていくところが不思議なところ。なぜなら、ドイツのビールはものすごく美味しいから! 2杯目も他のものが飲みたくならない、もっとビールが飲みたい、と思ってしまうような美味しさなのだ。おつまみが要らないというのも、上質で深い味わいがあり、ビールそのものの味をしっかり楽しめるからだと思う。またそれとは別に、「一度気に入ったら、ずっとそれを求め続ける」「すぐに飽きたりしない。特に変化を求めない」といったドイツ人の性質も関係しているといわれている。だってこんなにビールが美味しいんだから、あえて他のものを飲む必要がない、そんな感じなのかも…。
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