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関西二期会公演『フィガロの結婚』を観る

関西二期会公演『フィガロの結婚』を観る

                              




このところ心境著しい関西歌劇界の雄、関西二期会が昨年から4年間に渡って取り組んでいる、モ−ツァルト・シリ−ズの第2弾として今回新制作した、モ−ツァルトの『フィガロの結婚』を観る(所見:10月8日 尼崎・アルカイックホ−ル)。演出は中村敬一、指揮は京都市交響楽団常任指揮者の広上淳一、管弦楽は京都市交響楽団。

 

関西二期会は昨年『ドン・ジョヴァンニ』(指揮:園田隆一郎、演出:粟 淳)を上演しており、このあと来年は『コシ・ファン・トゥッテ』、さらに2013年には『魔笛』と続くそうである。このモ−ツァルト・シリ−ズ、ぜひとも期待したいところだが、少なくとも今回の『フィガロ』に関して言えば、残念と言わざるを得ない結果となった。まずもって言わせていただきたいのが演出だ。よく言えば『前近代的』、悪く言えば『何もやっていない』あるいは今となっては『手垢のつきまくった』ノ−アイディアな演出だとしか思えなかった。要するにこの演出、20年前、いや30年前の演出スタイルだと言われても仕方のないものだとも言える。あたかもこの夏のザルツブルクでの『マクベス』(ペ−タ−・シュタイン演出)さながらの“オ−ルド・ファッション”なものとしか思えなかった。この演出プランを打ち出してきた背景が、演出家個人の発想によるものか、あるいは主催者(関西二期会)の主導によるものかは私にはわからない。

 

昨今流行りの『読み替え演出』のなかには、独りよがりな舞台も存在するが、だからといって『前近代的』な、古ぼけた演出を今さらわざわざ新しく出す必要も全くないと思う。私は『発展』のない演出によるオペラ上演は、それそのものの衰退を招きかねないと危惧しているうちのひとりだが、それは私の『取り越し苦労』なのだろうか?

 

ただしこのプロダクションにおいても見るべきところがあったことは確かで、興味深いシ−ンもあったことを付け加えておかなければならない。例えば全編にわたって装置が、壁が取り払われてスケルトン状態(本当は何もないのだが)なので、普段は表舞台だけの演技が、その前後にも(なかでも第3幕の伯爵のアリアの最中に、裁判官のドン・クルツィオとフィガロ、マルツェリ−ナ、ドン・バルトロが係争中案件のことで言い合いをしているのがこちらから見えるのは良いアイディアだ!)演技をしながらの入退場というのは面白い手法のひとつだと思った。

 




それよりも音楽面での低調な進行具合には正直言って失望した。その責任の大半は指揮者である。全体に遅めのテンポ設定(まるでベ−ムのような遅さ!)で、それそのものは非難すべきものではない(と言っても、演出面だけでなく、音楽面でも『前近代的』なプロダクションとなった最大の要因でもある)が、時折不自然なテンポの揺れ(しかもそのほとんどがさらに遅くなる!)でアンサンブルが混乱する箇所が山積されたのは困りものだ。本来指揮者はアンサンブルをまとめていくのが仕事のはずなのに、自らその責任を放棄したのは、どんなに言い訳しても納得してはもらえないだろう。それだけに広上の背負う罪は大きい。

 

歌手は総じて健闘している。この日良かったのが、前回の『つばめ』でタイトルロ−ルを歌ったケルビ−ノ役の上村智恵。彼女の声域からすれば、本来ならば伯爵夫人役だとも思うのだが、そんなことはお構いなし、彼女が歌い始めると舞台の雰囲気がガラッと変わるほどのオ−ラを感じさせさえする。彼女の舞台をもっと観たいと思わせるだけの人だ。伯爵夫人を歌った木澤佐江子もまた素晴らしい。彼女の歌は他者を押しのけるような際立った個性があるわけではないが、端正な歌唱がまた舞台栄えのする歌手である。ちょうどドロテア・レシュマンのよう(ちょっと持ち上げすぎ?)な歌手になるような気がして、今後を注目していきたいソプラノだ。伯爵を歌った福嶋 勲もまた注目に値する。ちょっと内向きな発声であるが、往年のト−マス・アレンのような感じを受けた。どうやら長らくリ−ト(歌曲)の分野に身を置いていたとか、そのことがある意味良い面に出たような歌唱であった。今後が期待できる歌手だ。また脇を固める役柄にキャラクタ−が際立っていて、特にドン・バジ−リオ役の八百川敏幸と、アントニオ役の山中雅博が好演。今回は日程の関係で2日目の公演を観ることが出来なかったが、前日(7日)に高校生のための公演では、ケルビ−ノ役の鬼一 薫が際立っていたことをあわせて紹介しておく。

 

 

 

 
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