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長期連載シリ−ズ  世界のオペラハウス 第23回

長期連載シリ−ズ  世界のオペラハウス 第23回

 

 

第8章  バイロイト祝祭劇場

 

 





作曲家ワーグナーが長年温め続けていた劇場を、自身が計画、設計、建設し、ワーグナーの作品だけが上演される特別の劇場が、バイロイトの祝祭劇場である。バイエルン王ル−トヴィヒ2世の後援を得て1872年に着工、1876年に完成した。こけら落とし上演は『ニ−ベルングの指輪』。

 

美しい公園の先の丘の上にあり、別名「緑の丘」とも呼ばれてもいる。毎年夏に開かれる音楽祭の初日には、ドイツ内外から有名人が招かれ、まるでアカデミー賞授賞式かミラノ・スカラ座のオ−プニングの様に賑わう。しかしながら、建物自体は音楽第一主義で、装飾はとても質素。2000を越える客席の椅子は詰め物のない硬い木製で、ベンチの様に硬く、黒に塗られている。これによって各客席を含めた全体が共鳴板として働き、しばしばヴァイオリンの胴体に例えられる特異な音響空間を作り出している。しかしながら、長いワーグナーのオペラには適さない。そのため、華やかに着飾った人々の殆んどが、服装には不似合いなクッションを持ち込んで聴くこととなる。

 






バイロイト祝祭劇場はワーグナーの楽劇理論の結集であり、その古代ギリシャ演劇研究に大きく影響を受けている。プロセニアム・ア−チによって客席と舞台が隔てられる点では従来のオペラハウスと同じであるが、観客席はギリシャの円形劇場を模した高いせり上がりに沿って配され、19世紀までは普通だった観客席や舞台袖の彫刻やシャンデリア、装飾的な椅子等を廃し、木造の観客席一面を黒く塗っている。

 

ワ−グナ−はさらに、観客を舞台に集中させるためにオ−ケストラ・ピットを舞台下に設けた構造(「神秘の奈落」と呼ばれる)は他に類を見ない。またオーケストラピットに蓋がされていて、オーケストラの大音響にも歌手の声が消されないので、ワーグナーの上演に関しては、世界で最高の音響と言われている。反面、オーケストラや指揮者からは客席が全く見えない。現在は映像機器により客席や舞台袖がモニター可能であるが、奏者からはしばしば演奏しにくいと言う人もいる。

 

客席からは完全にピットが見えないので、指揮者も含めてオーケストラは、ここでは燕尾服ではなく、普通の服で演奏することができる(夏のバイロイトは非常に暑く、空調設備の整っていない劇場内、特にピットの中は蒸し風呂状態であり、楽団員はみなTシャツやポロシャツで演奏する)。

 

歌劇場自体は質素でも、その周りには休憩時間には大賑わいのレストランや、リハーサル室、舞台装置の製作スタジオなど、複数の建物が建設されている。オーケストラピットから別棟のカフェテリアに続く通路には、リヒター以来の歴代の指揮者の写真が飾ってあり、音楽祭の伝統を物語っている。しかしながら、オーケストラは指名手配の写真の連想して、「犯罪者のギャラリー」というあだ名で呼んでいるのだ。

 

1951年の戦後の再開場以来、ヴィ−ラントとウォルフガングのワ−グナ−のふたりの孫によって運営されてきたが、ヴィ−ラントの急逝の後はウォルフガングによる単独の運営が長期にわたって続けられてきた。その間にはワ−グナ−家の骨肉の争い(まるで『ニ−ベルングの指輪』を地で行くような)が繰り広げられていた。しかし2009年からバイロイト音楽祭はウォルフガングが引退し、新たにカタリーナとエファのふたりのウォルフガングの娘による2頭体制になり、新しい組織になった。時代に相応した新しいバイロイト音楽祭はインターネット中継、現地でのライブ・ビューイングなど、これまでにない動きを見せ伝統におぼれない展開を開始している。

 


ウォルフガングと前妻の娘、エファ 





ウォルフガングと後妻の娘、カタリ−ナ 

 

 
| 長期連載シリ−ズ 世界のオペラハウス | 20:26 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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