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クラシック専門 音楽マネジメント
2011.07.28 Thursday
トリスタンとイゾルデ
27日、16時よりバイエルン州立歌劇場で、ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」を観る。ペーター・コンヴィチュニーの良くも悪くも捻りが効いたプロダクション。私がこのプロダクションを観るのは今回が2度目。 まず歌手陣から。総じて水準以上。特に良かったのがクルヴェナール役のアラン・ヘルド、マルケ王役のルネ・パペ、そして題名役のニーナ・シュテンメ。パペはかれこれ20年以上聴いてきたが、今夜の歌唱が最もよかったと思う。シュテンメのイゾルデは、それこそ2005年のバイロイト音楽祭での同役以来、評価が定まっているが、私が彼女のイゾルデを聴くのは今回が初。印象としては、はじめはならし運転気味でスタートしたものの、徐々に上げてゆき、第1幕のフィナーレくらいからエンジン全開で、そのまま愛の死まで突き進んだ感じ。 指揮はバイエルン州立歌劇場音楽総監督のケント・ナガノ。でもこの人のドイツ・オペラは私には合わないと断言できる。ちょうどクラウディオ・アバドのそれを聴いたときの感覚と同じで、サラサラッと表面だけをなぞった演奏の感じを受けるのだ。ドイツ・オペラには、しっかりと腰の座った、底深い重厚感が必要だと思うのだが…。そういうものが受けない時代になっているのかも知れない。 コンヴィチュニーの演出は我々に深く考えさせる演出だ。その中には一見スキャンダラスな手法である意味聴衆を焚き付けておいて、後でよくよく考えさせられるような、聴衆も単なる傍観者ではなく、主観的にならざるを得ない舞台を作り上げる人だ。この作品もそういった類いのひとつであり、実に奥が深い。全編を劇中劇として扱った舞台は様々な演出上の仕掛けが施されていて、実に奥深い。謎が解明されたところ、さらに謎めいたところなど、考えれば考えるほど夜も眠れなくなってしまいそうな舞台だった。 終演後のカーテンコールでプレミエでもないのにコンヴィチュニーが現れて、拍手と歓声、そしてわずかながらブーイングが飛んでいた。新演出から随分時間がたったというのに、いまだ色褪せないプロダクションである。 コメント
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