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クラシック専門 音楽マネジメント
2011.12.31 Saturday
EMI チェリビダッケ・エディション(その4)
EMI チェリビダッケ・エディション(その4) 【EMI CLASSIS チェリビダッケ・エディション】 通常のオーケストラ演奏では考えられないほどの響きの繊細な美しさを獲得し、ときには超スローテンポで大胆にデフォルメ、作品解釈の可能性について改めて考えさせてくれることでも有名だったチェリビダッケのユニークな芸術を親しめるシリーズの登場。 チェリビダッケは疑いなく、近来の音楽界において、最も重要でオリジナルな指揮者であった。彼は現代の録音スタジオでは作り物の音が生み出されてしまうと受け止めて録音という作業を嫌い、コンサート会場の直接性とライヴでの聴衆との相互作用を好んだ。これは彼と手兵ミュンヘン・フィルとのライヴ公演の興奮と雰囲気を伝える伝説的な演奏を集大成したもので、先に発売されたものの集大成として作られたシリ−ズ。チェリビダッケは1979年から、彼の死の1996年までミュンヘン・フィルの音楽監督を務めた。仏教に深く影響を受け、音と宇宙的な思索の完璧なバランスのとれた演奏で、特別で人生を左右するようなライヴの聴衆の体験を創造したといわれている。 特にブルックナーやブラームス、ベートーヴェンの演奏にはこれまでにもさまざまな賛辞が寄せられていたし、また、『展覧会の絵』などという凄い演奏も含まれているので、チェリビダッケに関心のある方には文句なしにおすすめ。 今年はチェリビダッケの没後15年、来年の2012年は生誕100年を迎える彼の音楽はこのボックスによって再び大きな注目を浴びることは間違いない。
CD1, CD2 J.S.バッハ:ミサ曲ロ短調 BWV.232 バーバラ・ボニー(ソプラノ) ルクサンドラ・ドノーゼ(メゾ・ソプラノ) コルネリア・ヴルコップ(アルト) ペーター・シュライアー(テナー) ヤロン・ヴィントミュラー(バス) マインツ大学ヨハネス・グッテンベルグ・バッハ合唱団 録音時期:1990年11月18日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD3 モーツァルト:レクィエム ニ短調 K.626 カロリーネ・ペトリーク(ソプラノ) クリステル・ボルヒェルス(コントラルト) ペーター・シュトラーカ(テナー) マティアス・ヘレ(バス) ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団 録音時期:1995年2月15,17日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD4, CD5, CD6 ヴェルディ:レクィエム エレナ・フィリポヴァ(ソプラノ) ラインヒルト・ルンケル(メゾ・ソプラノ) ペーター・ドヴォルスキー(テナー) クルト・リドル(バス) ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団 録音時期:1993年11月 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー ブラームス:ドイツ・レクィエム op.45 アーリーン・オージェ(ソプラノ) フランツ・ゲリーゼン(バリトン) ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団 ミュンヘン・バッハ合唱団員 録音時期:1981年7月2日 録音場所:ミュンヘン、マリアンネンプラッツ、ルカ教会 CD7 フォーレ:レクィエム op.48 マーガレット・プライス(ソプラノ) アラン・タイタス(バリトン) ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団 録音時期:1994年3月14,15日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー ストラヴィンスキー:詩篇交響曲 ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団 録音時期:1984年1月31日 録音場所:ミュンヘン、レジデンツ・ヘルクレスザール CD8 1. ロッシーニ:『ウィリアム・テル』序曲 2. ロッシーニ:『セミラーミデ』序曲 3. ロッシーニ:『絹のはしご』序曲 4. ロッシーニ:『泥棒かささぎ』序曲 5. ヴェルディ:『運命の力』序曲 6. モーツァルト:『ドン・ジョヴァンニ』序曲 録音時期:1982年11月29日(6)、1983年11月3日(2)、1989年10月5日(5)、1992年11月6,8日(3)、1993年1月25,26日(1)、1995年4月3,4日(4) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD9 1. ベルリオーズ:序曲『ローマの謝肉祭』 op.9 2. メンデルスゾーン:序曲『フィンガルの洞窟』 op.26 3. メンデルスゾーン:『真夏の夜の夢』序曲 op.21 4. シューベルト:『ロザムンデ』序曲 D.644 5. スメタナ:交響詩『モルダウ』 6. J.シュトラウス2世:『こうもり』序曲 録音時期:1984年4月18日(3)、1986年6月20日(5)、1996年6月4日(4)、1988年9月30日(1)、1991年2月10日(6)、1993年3月12,15日(2) 録音場所:ミュンヘン、レジデンツ・ヘルクレスザール(3,4,5) ガスタイク・フィルハーモニー(1,2,6) CD10 1. ヴェーバー:『オベロン』序曲 2. ワーグナー:『パルジファル』〜聖金曜日の音楽(第3幕) 3. ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』第1幕への前奏曲 4. ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』〜『愛の死』 録音時期:1983年12月6日(3-4)、1985年3月16日(1)、1993年2月3,4日(2) 録音場所:ミュンヘン、レジデンツ・ヘルクレスザール(1,3-4) ガスタイク・フィルハーモニー(2) CD11 ワーグナー: 1. 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲 2. ジークフリート牧歌 3. 『神々の黄昏』〜葬送行進曲 4. 『タンホイザー』序曲 録音時期:1993年2月3,4日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー 以上、すべて セルジウ・チェリビダッケ(指揮) EMIクラシックス(輸入盤) CD 0856172(11枚組 限定盤) オ−プンプライス
チェリはどういう理由かは分からないが、声楽の入った大規模な作品の代名詞であるマ−ラ−をほとんど指揮しなかった。宗教や禅などに造詣の深かったチェリがなぜ・・・。その代わりと言っては何だが、宗教音楽は好んで演奏していた。ここではその代表的な作品がずらりと並ぶ。バッハの「ミサ曲ロ短調」に始まって、モ−ツァルトの「レクイエム」、ヴェルディの「レクイエム」、ブラ−ムスの「ドイツ・レクイエム」、そしてフォ−レの「レクイエム」だ。どれも、チェリの音楽的意図を充分に汲むことができる歌手たちを起用してのもので、遅めのテンポ(だが器楽曲ほど遅く感じないのは、宗教曲のなせる業か?)が逆に宗教曲の深遠さを醸し出すことに成功している。多くの作品で合唱を担当しているミュンヘン・フィルハーモニー合唱団の絶大なる貢献ぶりも特筆すべきだ。 後半の4枚分はオペラ(チェリはオペラ全曲は全く振らなかった!)の序曲集で、ロッシ−ニ、ヴェルディ、モ−ツァルト(8枚目)、ベルリオ−ズ、メンデルスゾ−ン、シュ−ベルト、スメタナ、ヨハン・シュトラウス(9枚目)、ウェ−バ−、ワ−グナ−(10枚目と11枚目)といった具合。特に筆者自身が演奏を聴いて、度肝を抜かされた日と同じ演奏が楽しめる「こうもり」序曲は、あの時の会場内の光景が思い浮かぶようだった。 2011.12.30 Friday
欧州クラシック通信(2011.12.30.)
レオンハルトが公式に引退を発表
文:三宅坂 幸太郎(音楽ジャ−ナリスト) 2011.12.30 Friday
EMI チェリビダッケ・エディション(その3)
EMI チェリビダッケ・エディション(その3)
通常のオーケストラ演奏では考えられないほどの響きの繊細な美しさを獲得し、ときには超スローテンポで大胆にデフォルメ、作品解釈の可能性について改めて考えさせてくれることでも有名だったチェリビダッケのユニークな芸術を親しめるシリーズの登場。 チェリビダッケは疑いなく、近来の音楽界において、最も重要でオリジナルな指揮者であった。彼は現代の録音スタジオでは作り物の音が生み出されてしまうと受け止めて録音という作業を嫌い、コンサート会場の直接性とライヴでの聴衆との相互作用を好んだ。これは彼と手兵ミュンヘン・フィルとのライヴ公演の興奮と雰囲気を伝える伝説的な演奏を集大成したもので、先に発売されたものの集大成として作られたシリ−ズ。チェリビダッケは1979年から、彼の死の1996年までミュンヘン・フィルの音楽監督を務めた。仏教に深く影響を受け、音と宇宙的な思索の完璧なバランスのとれた演奏で、特別で人生を左右するようなライヴの聴衆の体験を創造したといわれている。 特にブルックナーやブラームス、ベートーヴェンの演奏にはこれまでにもさまざまな賛辞が寄せられていたし、また、『展覧会の絵』などという凄い演奏も含まれているので、チェリビダッケに関心のある方には文句なしにおすすめ。 今年はチェリビダッケの没後15年、来年の2012年は生誕100年を迎える彼の音楽はこのボックスによって再び大きな注目を浴びることは間違いない。
CD1 1. ドビュッシー:交響詩『海』 2. ドビュッシー:管弦楽のための『映像』〜第2集『イベリア』 録音時期:1992年9月13日(1)、1992年9月22日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD2 1. ミヨー:マリンバ、ヴィブラフォーンと管弦楽のための協奏曲 op.278 2. ミヨー:フランス組曲 op.248 3. ルーセル:小組曲 op.39 4. ルーセル:組曲ヘ長調 op.33 録音時期:1992年4月16,17日(1)、1991年9月30日(2)、1990年2月9日(3)、1992年9月20,22日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD3 1. ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲『展覧会の絵』 2. ラヴェル:ボレロ 録音時期:1993年9月24,25日(1)、1994年6月18日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD4 チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 op.36 録音時期:1993年11月11,12日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD5 チャイコフスキー:組曲『くるみ割り人形』 op.71a 録音時期:1991年2月10日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD6 チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 op.64 録音時期:1991年5月29日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD7 チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 op.74『悲愴』 録音時期:1992年11月14,16日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD8 リムスキー=コルサコフ:交響組曲『シェエラザード』 op.35 録音時期:1984年4月18日 録音場所:ミュンヘン、レジデンツ・ヘルクレスザール CD9 1. プロコフィエフ:交響曲第1番ニ長調 op.25『古典』 2. プロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調 op.100 録音時期:1988年3月26日(1)、1990年2月3日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD10 1. ショスタコーヴィチ:交響曲第1番ヘ短調 op.10 2. ショスタコーヴィチ:交響曲第9番変ホ長調 op.70 3. バーバー:弦楽のためのアダージョ op.11 録音時期:1994年6月2,3日(1)、1990年2月9日(2)、1992年1月19-20日(3) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD11 1. バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116 2. バルトークのリハーサルより 録音時期:1995年3月20日(1)、1995年3月10日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー 以上、すべて セルジウ・チェリビダッケ(指揮) EMIクラシックス(輸入盤) CD 0856062(11枚組 限定盤) オ−プンプライス チェリもう一方の真骨頂、フランス、ロシア音楽集 チェリビダッケの真骨頂はなんといってもブルックナ−に尽きるのだが、ファンの間ではそれに勝るとも劣らないと評判なのがフランス音楽とロシア音楽だった。ここではドビュッシ−、ミヨ−、ル−セル、ラヴェルといったフランス物と、ムソルグスキ−、チャイコフスキ−、リムスキ−=コルサコフ、プロコフィエフ、ショスタコ−ヴィチといったロシア物が収められている。 チャイコフスキ−の交響曲は安っぽさ皆無の立派な音楽に仕上がっていて、チェリのすごさに感服。特に「悲愴」はとてもいい。ベートーヴェンの「第五」に通じる、運命と戦う姿を描いた交響曲なのだと思うくらい。リムスキ−=コルサコフの「シェエラザード」に至っては、輪をかけて音楽を留めるものだから、身が持たくなりそうなほど。それでも延々渋滞を走っているという感じではなく、緩やかな波の中、たゆとうように船で進んでいるよう。一つ一つのフレーズが歌いに歌い、頂点では比類ない激昂に包まれる。 フランス物だって素晴らしい。ドビュッシ−の「海」なんて、ドイツのオケがここまでフランスの色彩を表現できるのかと思うぐらいだし、「イベリア」はさらに見事で、耽美的な陶酔が筆舌に尽くしがたい音楽にはまさにチェリ流フランス音楽の真骨頂を聴く思いがしてならない。さらに「ボレロ」が圧巻。選り抜きの美音が厳密に積み上げられていったその果てに、壮烈な巨大音響へと収斂してゆく演奏。このような過酷ともいえる指揮者の要求に十全に応えながら、豊富なニュアンスを常に失わないミュンヘン・フィル(特に木管セクション)の名人芸も聴きどころ。フランスものにこそこの偉大な指揮者の真骨頂が現れている、まさに本当の音楽がここにあるのだ。 2011.12.29 Thursday
欧州クラシック通信(2011.12.29.)
オペレッタ歌手 ヨハネス・へースタースが死去
ユッピィの愛称で親しまれたヨハネス・ヘースタースは、1903年12月5日にオランダ・ア−メルスフォ−ルトで生まれる。オペレッタ歌手になるべくウィーンにやってきた彼は、もともとは役者としてスタートし、その端正な顔立ちで歌もうまく、たちまちベルリンの映画会社の目にとまり、映画デビュ−。当時の女性たちのハートをわしづかみにする人気ぶりで、まさにドイツにおけるアイドルのはしりのような存在となった。同時に舞台俳優として、夢でもあったオペレッタ歌手としても活躍し、ベルリン・メトロポ−ル劇場や、ウィ−ン・フォルクスオ−パ−での『メリ−・ウィドゥ』や、『白馬亭にて』、『乞食学生』などで一世を風靡した。特に『メリ−・ウィドゥ』のダニロ役は当たり役で、その昔、バードイシュルで「メリーウィドウ」に出演した際、レハール本人が観て、“君は私のダニーロのイメージにピッタリだ”と言わしめたという逸話が残っているほどである。白いマフラーに山高帽のいでたちで「マキシムの歌」を歌うダニロを演じたのはヘースタースのアイデアで、いかにも「伊達男」という粋な舞台姿がファンを魅了した。ウィ−ンの新聞はこぞってこの話題を引き合いに出し、「もうマキシムへ行けない」と見出しを打ったくらいである。 日本では『乞食学生』(1936年)や『思い出の曲』(1936年)、『白馬亭にて』(1952年)、『月蒼くして』(1953年)などの出演作が紹介されている。 文:三宅坂 幸太郎(音楽ジャ−ナリスト) 2011.12.29 Thursday
EMI チェリビダッケ・エディション(その2)
EMI チェリビダッケ・エディション(その2)
通常のオーケストラ演奏では考えられないほどの響きの繊細な美しさを獲得し、ときには超スローテンポで大胆にデフォルメ、作品解釈の可能性について改めて考えさせてくれることでも有名だったチェリビダッケのユニークな芸術を親しめるシリーズの登場。 チェリビダッケは疑いなく、近来の音楽界において、最も重要でオリジナルな指揮者であった。彼は現代の録音スタジオでは作り物の音が生み出されてしまうと受け止めて録音という作業を嫌い、コンサート会場の直接性とライヴでの聴衆との相互作用を好んだ。これは彼と手兵ミュンヘン・フィルとのライヴ公演の興奮と雰囲気を伝える伝説的な演奏を集大成したもので、先に発売されたものの集大成として作られたシリ−ズ。チェリビダッケは1979年から、彼の死の1996年までミュンヘン・フィルの音楽監督を務めた。仏教に深く影響を受け、音と宇宙的な思索の完璧なバランスのとれた演奏で、特別で人生を左右するようなライヴの聴衆の体験を創造したといわれている。 特にブルックナーやブラームス、ベートーヴェンの演奏にはこれまでにもさまざまな賛辞が寄せられていたし、また、『展覧会の絵』などという凄い演奏も含まれているので、チェリビダッケに関心のある方には文句なしにおすすめ。 今年はチェリビダッケの没後15年、来年の2012年は生誕100年を迎える彼の音楽はこのボックスによって再び大きな注目を浴びることは間違いない。
CD1 ブルックナー:交響曲第3番ニ短調(1888/89 ノヴァーク版) 録音時期:1987年3月19,20日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD2 ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』(ハース版) 録音時期:1988年10月16日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD3, CD4 ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調(ハース版) 録音時期:1988年10月16日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD5 ブルックナー:交響曲第6番イ長調(ハース版) 録音時期:1991年11月29日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD6, CD7 ブルックナー: 交響曲第7番ホ長調(ハース版) テ・デウム(1883/84 ペータース) マーガレット・プイラス(ソプラノ) クリステル・ボルヒェルス(コントラルト) クラエス・H.アーンシェ(テナー) カール・ヘルム(バス) ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団 ミュンヘン・バッハ合唱団員 エルマー・シュローター(オルガン) 録音時期:1994年9月10日(第7番)、1982年7月1日(テ・デウム) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー(第7番) マリアンネンプラッツ、ルカ教会(テ・デウム) CD8, CD9 ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(1890 ノヴァーク版) 録音時期:1993年9月12,13日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD10, CD11 ブルックナー:交響曲第9番ニ短調(ノヴァーク版) 交響曲第9番のリハーサルより 録音時期:1995年9月10日(第9番)、1995年9月4-7日(リハーサル) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD12 ブルックナー:ミサ曲第3番ヘ短調 マーガレット・プイラス(ソプラノ) ドリス・ゾッフェル(アルト) ペーター・シュトラーカ(テナー) マティアス・ヘレ(バス) ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団 以上、すべて セルジウ・チェリビダッケ(指揮) EMIクラシックス(輸入盤) CD 0855782(12枚組 限定盤) オ−プンプライス チェリの真骨頂がここに! 重厚感溢れる珠玉のブルックナ− チェリビダッケが最も敬愛していたブルックナーの交響曲を収めたボックス。チェリのブルックナーを神格化せしめた名演がずらりと並んでいる。通常のオーケストラ演奏では考えられないほどの響きの繊細な美しさを獲得し、ときには超スローテンポで大胆にデフォルメ、作品解釈の可能性について改めて考えさせてくれることでも有名だったチェリビダッケの演奏は、今でも我々を堪能させてくれる。 なかでも、チェリ自身が「すべての交響曲の頂点にある」と評していた第8番を聴くと、1990年の来日公演でのサントリ−ホ−ルでの名演を思い出さずにはいられない。「オケの自発性に任せる」という美意識は、実は愛憎まみえる師匠のフルトヴェングラー譲りなのかもしれないが、確実に言えることは、共に音楽という真実の体験を追求していった結実がここにあるということだ。「この第8番の演奏以外に第8番はありえない」とでも言わんばかりの、チェリビダッケによってイデーが込められ「すべての条件が整った」正に第8番にふさわしい頂点ともいうべき演奏である。 今となってはチェリビダッケ指揮の生演奏を聴くことがかなわなくなったのだが、その再現を希求して止まないファンはこのCDを聴くよりほかないのだから。 2011.12.28 Wednesday
EMI チェリビダッケ・エディション(その1)
EMI チェリビダッケ・エディション(その1)
通常のオーケストラ演奏では考えられないほどの響きの繊細な美しさを獲得し、ときには超スローテンポで大胆にデフォルメ、作品解釈の可能性について改めて考えさせてくれることでも有名だったチェリビダッケのユニークな芸術を親しめるシリーズの登場。 チェリビダッケは疑いなく、近来の音楽界において、最も重要でオリジナルな指揮者であった。彼は現代の録音スタジオでは作り物の音が生み出されてしまうと受け止めて録音という作業を嫌い、コンサート会場の直接性とライヴでの聴衆との相互作用を好んだ。これは彼と手兵ミュンヘン・フィルとのライヴ公演の興奮と雰囲気を伝える伝説的な演奏を集大成したもので、先に発売されたものの集大成として作られたシリ−ズ。チェリビダッケは1979年から、彼の死の1996年までミュンヘン・フィルの音楽監督を務めた。仏教に深く影響を受け、音と宇宙的な思索の完璧なバランスのとれた演奏で、特別で人生を左右するようなライヴの聴衆の体験を創造したといわれている。 特にブルックナーやブラームス、ベートーヴェンの演奏にはこれまでにもさまざまな賛辞が寄せられていたし、また、『展覧会の絵』などという凄い演奏も含まれているので、チェリビダッケに関心のある方には文句なしにおすすめ。 今年はチェリビダッケの没後15年、来年の2012年は生誕100年を迎える彼の音楽はこのボックスによって再び大きな注目を浴びることは間違いない。
CD1 ハイドン: 1. 交響曲第103番変ホ長調『太鼓連打』 2. 交響曲第104番ニ長調『ロンドン』 録音時期:1993年11月11,12日(1)、1992年4月14,16日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD2 1. モーツァルト:交響曲第40番ト短調 K.550 2. ハイドン:交響曲第92番ト長調『オックスフォード』 録音時期:1994年3月15日(1)、1993年2月28日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD3 ベートーヴェン: 1. 交響曲第2番ニ長調 op.36 2. 交響曲第4番変ロ長調 op.60 録音時期:1996年6月4日(1)、1987年4月12,13日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD4 ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 op.55『英雄』 録音:1987年4月12,13日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD5 ベートーヴェン: 1. 交響曲第4番変ロ長調 op.60 2. 交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』 録音時期:1995年3月19日(1)、1992年5月28,31日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD6 ベートーヴェン: 1. 交響曲第6番ヘ長調 op.68『田園』 2. 『レオノーレ』序曲第3番 op.72a 録音時期:1993年1月25日(1)、1989年1月20日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD7 ベートーヴェン: 1. 交響曲第7番イ長調 op.92 2. 交響曲第8番ヘ長調 op.93 録音時期:1989年1月20日(1)、1995年1月4日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD8 ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 op.125『合唱』 ヘレン・ドーナト(ソプラノ) ドリス・ゾッフェル(コントラルト) ジークフリート・イェルザレム(テナー) ペーター・リーカ(バス) ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団 録音時期:1989年3月17日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD9 シューベルト:交響曲第9番ハ長調 D.944『グレート』 録音時期:1994年2月28日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD10 ブラームス:交響曲第1番ハ短調 op.68 録音時期:1987年1月21日 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー CD11, CD12 ブラームス: 1. 交響曲第2番ニ長調 op.73 2. 交響曲第3番ヘ長調 op.90 3. 交響曲第4番ホ短調 op.98 録音時期:1991年6月8日(1)、1979年6月20日(2)、1985年3月16日(3) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー(1) ヘルクレスザール(2,3) CD13 1. シューマン:交響曲第2番ハ長調 op.61 2. ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 op.56a 録音時期:1994年11月29日(1)、1980年10月16日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー(1) ヘルクレスザール(2) CD14 シューマン: 1. 交響曲第3番変ホ長調 op.97『ライン』 2. 交響曲第4番ニ短調 op.120 録音時期:1988年4月21日(1)、1986年9月20日(2) 録音場所:ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー 以上、すべて セルジウ・チェリビダッケ(指揮) EMIクラシックス(輸入盤) CD 0855662(14枚組 限定盤) オ−プンプライス ハイドン、モ−ツァルト、ベ−ト−ヴェン、シュ−ベルト、ブラ−ムス、シュ−マン 古典派からロマン派まで、チェリの真髄がここに! 録音を拒否し幻の指揮者と言われ、音楽評論家の間でも賛否のあった彼の交響曲の多くがこのセットには収められている。演奏はどれもがユニークかつ素晴らしく、録音も悪くない。どの楽曲も精緻に描かれ、破綻することなく透明感に溢れている。「実はこんなところでこんな楽器も鳴っていたんですよ。知らなかったでしょ?」、「こんな風にゆっくりとしたテンポもいいもんでしょう?」、「多くの指揮者はここを強く鳴らすんですが,こんな風に弱く鳴らすのもいいでしょう?」、「どうです,この曲だってこうやって演奏すれば,いっぱしの大交響曲でしょ?」…こんな語りかけの連続。その全てが彼の手にかかると嫌味には聴こえてこないから凄い。 弦楽合奏の美しさと管楽器がすぐそばで鳴っているような演奏会場さながらの臨場感に包まれ、テンポは遅くとも、アンサンブルは細やかで精巧。すっきりしたテンポで小気味よく流線型のカッコいいカラヤンとは対極にある演奏だ。魔法使いのチェリらしく、変幻自在に音の魔術で心ゆくまで楽しませてくれる。ほんと、スケールの大きな指揮者だったんだなぁ…! 2011.12.27 Tuesday
松山の老舗レコ−ド店 まるいレコ−ドが移転
松山の老舗レコ−ド店 まるいレコ−ドが移転 松山市内で唯一と言っていいほどクラシックCDを豊富に取りそろえている老舗レコ−ド店(レコ−ドという表現自体がいかにも古い!)であるまるいレコ−ドが、現在の銀天街での店舗を今年12月30日(金)で終え、移転することがわかった。移転場所は千舟町で、近くにはヤマハ松山店や、ジュンク堂松山店がある。新店舗での営業は2012年1月2日(月)からとなる。 2011.12.26 Monday
リストピアノ作品集 メジューエワ
リストピアノ作品集 メジューエワ
リスト: 愛の夢 第3番 メフィスト・ワルツ第1番(『村の居酒屋での踊り』) コンソレーション第1番〜第3番 ラ・カンパネッラ ピアノ小品 変イ長調 S.192-2 夢の中で(ノクターン) S.207 ピアノ小品 嬰ヘ長調 S.192-4 エステ荘の噴水(『巡礼の年』第3年より) カンツォーネとタランテラ(『巡礼の年』第2年補遺『ヴェネツィアとナポリ』より) CD2 リスト: ピアノ・ソナタ ロ短調 子守歌 S.198 瞑想 S.204 忘れられたロマンス S.527 トッカータ S.197a 悲しみのゴンドラ第2番 S.200-2 ピアノ小品 嬰ヘ長調 S.192-3 P.N.夫人の回転木馬 S.214a 暗い雲 S.199 イリ−ナ・メジュ−エワ(ピアノ) 録音時期:2011年4月、6月、9月 録音場所:富山県魚津市、新川文化ホール 若林工房 CD WAKA4159〜60(2枚組) オ−プンプライス かくまで深き精神の営み〜リスト音楽の真の姿を伝える充実の2枚組 若くして「巨匠の風格を備えつつある」と、ここ数年の演奏がきわめて高い評価を獲得しているロシア出身の実力派メジューエワが、リスト生誕200年のメモリアル・イヤーに合わせて、超大作『ロ短調ソナタ』を録音。ショパン作品の瑞々しい解釈で知られるメジューエワだが、今回はリスト弾きとしてもその実力を遺憾なく発揮している。古今の大ピアニストたちが個性豊かな名演を刻んできたこの傑作ソナタに真っ向から挑み、正攻法の解釈で作品の素晴らしさを伝えているのだ。作品の根幹を見据えた重厚堅固な構築感はまさに巨匠風。19世紀ロマン派のピアニズムを髣髴とさせるレガート奏法、強靭なテクニックと千万変化の多彩な音色を駆使して、リスト音楽の森羅万象を見事に描き上げている。 なおカップリングに選ばれたのは、『愛の夢』や『ラ・カンパネッラ』といった「お約束」の名曲のほかに、神秘的で独自の美しさを備えた晩年の小品の数々。リストの多彩な魅力を満載した2枚組アルバムの誕生である。 2011.12.25 Sunday
欧州クラシック通信(2011.12.25.)
ベルリン・フィル ジルベスター・コンサート2011
ベルリン・フィル ジルベスターコンサート2011 【演奏曲目】 ドヴォルザーク:スラブ舞曲第1番 グリーグ:交響的舞曲第2番 グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 ラヴェル:道化師の朝の歌 R・シュトラウス:楽劇《サロメ》から〈7つのヴェールの踊り〉 ストラヴィンスキー:《火の鳥》より抜粋 ブラームス:ハンガリー舞曲第1番 文:三宅坂 幸太郎(音楽ジャ−ナリスト) 2011.12.24 Saturday
カラヤン&BPO 1977年、東京でのベートーヴェン・ツィクルスが全集セット化
カラヤン&BPO 1977年、東京でのベートーヴェン・ツィクルスが全集セット化
ベートーヴェン: 交響曲第1番ハ長調 op.21 交響曲第3番変ホ長調 op.55『英雄』 録音時期:1977年11月13日 CD2 交響曲第2番ニ長調 op.36 交響曲第8番ヘ長調 op.93 録音時期:1977年11月14日(2番)、17日(8番) CD3 交響曲第6番ヘ長調 op.68『田園』 交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』 録音時期:1977年11月16日 CD4 交響曲第4番変ロ長調 op.60 交響曲第7番イ長調 op.92 録音時期:1977年11月15日 CD5 交響曲第9番ニ短調 op.125『合唱』 バーバラ・ヘンドリックス(ソプラノ) ヘルイェ・アルゲルヴォ(アルト) ヘルマン・ヴィンクラー(テノール) ハンス・ゾーティン(バス) プロ合唱団連盟、東京藝術大学合唱団(合唱総指揮:田中信昭) 録音時期:1977年11月18日
録音場所:東京、普門館 録音方式:ステレオ(ライヴ) プロデューサー:東条碩夫 エンジニア:若林駿介 TOKYO FM CD TFMC0031(5枚組) オ−プンプライス カラヤン&ベルリン・フィル 絶頂期、1977年の東京ライヴ ベートーヴェン交響曲全集 奇跡的に保存されていたステレオ音源 初回生産900セットには写真集付き! カラヤン&ベルリン・フィルの1977年の来日時の東京(普門館)でのライヴ録音については、2010年9月に、単品5枚のCDで発売されたが、いずれも大変な好評を博したことは記憶に新しい。それから約1年を経て、今般ついにボックス化されて発売されることになった。このベートーヴェン・ツィクルスは「FM東京(現TOKYO FM)」が全曲を録音。しかも録音にあたってはお馴染み「TOKYO FM」の名プロデューサーだった東条碩夫氏(現・音楽ジャーナリスト)があたり、さらにストコフスキーも絶賛した腕前の日本が誇る名エンジニア若林駿介氏を動員し、万全の体制で臨んだもの。すこぶる良好なステレオ録音。 演奏自体はやはり素晴らしい。カラヤンは、DVD作品を除くと、4度にわたってベートーヴェンの交響曲全集をスタジオ録音しているが、本全集はそれらいずれの全集をも大きく凌駕していると言っても過言ではあるまい。1977年と言えば、正にカラヤン&ベルリン・フィルの全盛時代。カラヤンの体調も若干の陰りは見られつつあったものの、心身ともにベストコンディションにあったと言える。ベルリン・フィルも、名うてのスタープレーヤーがあまた在籍した楽団史上でも特筆すべき技量を誇った時代であり、それぞれ最高の状態にあったカラヤン&ベルリン・フィルによる演奏は、おそらくはオーケストラ演奏史上でも空前にして絶後の高水準を誇っていたと言ってもいいのではないだろうか。 弦楽合奏の鉄壁のアンサンブル、唸るような低弦の重量感のある響き、ブリリアントなブラスセクションの響き、桁外れのテクニックを示す木管楽器群の美しい響き、そして雷鳴のように轟わたるティンパニー(ヴェルナー・テーリヒェンとオスヴァルト・フォーグラーが担当)の響きなどが見事に融合するとともに、カラヤン一流の流麗なレガートが施された、いわゆるカラヤン・サウンドに満ち溢れた正に圧倒的な音のドラマの構築に成功していたと言える。特にトラなしのベルリン・フィル正規メンバーのみで臨んだ『運命』『田園』は、朝日放送がテレビでモノラル放送したためFM未放送で、2010年9月に発売されるまでステレオ録音は未公開だったもの。カラヤン自身が談話で「最高に満足できる演奏会であった」と言わしめるほどの演奏が今蘇っている。 カラヤンの個性が全面的に発揮されたベートーヴェンの交響曲全集の演奏としては、1970年代にスタジオ録音された3度目の全集を掲げる者も多くいると思われるが、本全集は、実演でこそ真価を発揮するカラヤンならではのとてつもない生命力溢れる力感が随所に漲っているなど、音のドラマとしての根源的な迫力においてはかかるスタジオ録音による全集を大きく凌駕していると言えるところであり、正にカラヤン&ベルリン・フィルという稀代の黄金コンビによる全盛時代の演奏の凄さを大いに堪能させてくれる究極の名演奏と言っても過言ではあるまい。 全集の初回特典として、カラー写真集(CDブックレットサイズ)が封入されており、この32ページの写真集は、来日時のカラヤンの撮影にあたったカメラマンの山本成夫氏所有するコレクションから選ばれたもので、今回が初お目見えというものも多い、コストのかかった貴重な写真集が付いてくるのも嬉しい。
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