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クラシック専門 音楽マネジメント
2014.03.31 Monday
欧州クラシック通信(2014.03.31.)
アバドの代役はネルソンス
文:三宅坂 幸太郎(音楽ジャ−ナリスト)
2014.03.28 Friday
ヤンソンスの新・ベートーヴェン全集(東京&ミュンヘン・ライヴ2012)
ヤンソンスの新・ベートーヴェン全集(東京&ミュンヘン・ライヴ2012)
ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 Op.21 録音時期:2012年11月27日 録音場所:東京、サントリーホール ヨハネス・マリア・シュタウト[1974-]:『マナイ』 (2011) 録音時期:2012年2月19日 録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 Op.36 録音時期:2012年11月27日 録音場所:東京、サントリーホール 望月京[1969-]:『ニライ−ベートーヴェンの交響曲第2番&第6番へのインテルメッツォ』 録音時期:2012年11月8,9日 録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール Disc2 ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』 録音時期:2012年10月18,19日 録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール シチェドリン[1932-]:ベートーヴェンのハイリゲンシュタットの遺書−管弦楽のための交響的断章 (2008) 録音時期:2008年12月18,19日 録音場所:ミュンヘン、フィルハーモニー・ガスタイク Disc3 ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調 Op.60 録音時期:2012年11月26日 録音場所:東京、サントリーホール ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』 録音時期:2012年11月27日 録音場所:東京、サントリーホール ラミンタ・シャルクシュニーテ[1975-]:『炎』 (2010) 録音時期:2012年5月17,18日 録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール Disc4 ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』 録音時期:2012年11月8,9日 録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール カンチェリ[1935-]:混声合唱と管弦楽のための『Dixi』 (2009) 録音時期:2009年10月29,30日 録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール Disc5 ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 Op.92 録音時期:2012年11月30日 録音場所:東京、サントリーホール イェルク・ヴィトマン[1973-]:管弦楽のための演奏会用序曲『コンブリオ』 (2008) 録音時期:2008年9月25,26日 録音場所:ミュンヘン、フィルハーモニー・ガスタイク ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調 Op.93 録音時期:2012年12月1日 録音場所:東京、サントリーホール Disc6 ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』 クリスティアーネ・カルク(ソプラノ) 藤村実穂子(アルト) ミヒャエル・シャーデ(テノール) ミヒャエル・ヴォッレ(バス) バイエルン放送合唱団 ペーター・ダイクストラ(合唱指揮) 録音時期:2012年12月1日 録音場所:東京、サントリーホール バイエルン放送交響楽団 マリス・ヤンソンス(指揮) 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ) BRクラシック CD 900119(輸入盤 6枚組) オ−プンプライス
ヤンソンス&バイエルン放送交響楽団 2012年日本ツアーの感動、再び! 昨年、日本でおこなわれる交響曲全曲演奏会にあわせて、マリス・ヤンソンス&バイエルン放送交響楽団によるベートーヴェンの交響曲全集が登場して、ファンを沸かせたが、またまたこのコンビが『新』全集を発表した!しかも第3番と第6番以外はすべて来日公演のライヴ音源が使用されており、さらに6曲の現代作品が追加収録されているところが特徴的だ。 これらの現代作品は、ヤンソンスが作曲家たちに委嘱したもので、それぞれ「ベートーヴェンの交響曲から産み出された」内容となっているのが特徴。今回、こうしてベートーヴェン作品の間に置かれることによって、現代の社会におけるベートーヴェン受容のひとつの形として、非常に興味深い提案の形になっている。
今回の来日公演での全曲演奏会は数ヶ月前から大きな話題となり、実際の演奏に際しては、指揮者とオーケストラのコンディションが良かったこともあって、その現代的で俊敏、活気に満ちた演奏は高い評価をもって迎えられていた。今回の全集では、『第3番』(10月)、さらに来日直前の11月に『第6番』を、ヤンソンスのお気に入りであるヘルクレスザールでの演奏が使用し、それ以外の7曲を11月から12月にかけて行われた来日公演音源が使われているあたりにも演奏の好調ぶりがうかがえ、さらにヤンソンスの委嘱作と組み合わせることで、全集としての価値をさらに独自なものとなっている。また、ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団のコンビでの10年目の節目であり、格段の絆の強さを誇る指揮者とオーケストラによる文句なしのベートーヴェン演奏は、並み居る同曲異演盤の中でも、輝く光を放つものとして、偉大なる金字塔として輝き続けるものになっている。 2014.03.26 Wednesday
欧州クラシック通信(2014.03.26.)
ウィーン国立歌劇場2014/15シーズンのプログラム発表
まず新演出は全部で6演目。モーツァルトの「イドメオネ」(10月5日初日)、ムソルグスキーの「ホヴァーンシチナ」(11月15日初日)、ヴェルディの「リゴレット」(12月20日初日)、リヒャルト・シュトラウスの「エレクトラ」(2015年3月29日初日)、ドニゼッティの「ドン・パスクワーレ」(4月26日初日)、トーマス•アデスの「テンペスト」(6月14日オーストリア初演)となっている。ほかにバレエが3演目あり、今年生誕150年を迎えるリヒャルト・シュトラウスのバレエ「ヨゼフ伝説」(2015年2月4日初日)も含まれる。 また、エディタ・グルベローヴァのウィ−ン国立歌劇場デビュ−45周年記念コンサートがおこなわれ、数々の名唱称をくりひろげてきたベルカント・オペラのアリアが歌われる(2015年2月7日)。もうひとつ、ニール・シコフのオペラ・デビュ−40周年記念コンサートも行われる(5月3日)。 文:三宅坂 幸太郎(音楽ジャ−ナリスト) 2014.03.25 Tuesday
ブリテン『戦争レクイエム』世界初演ライヴ
ブリテン『戦争レクイエム』世界初演ライヴ
ヘザ−ハ−パ−(ソプラノ) ピ−タ−・ピア−ズ(テノール) ディ−トリヒ・フィッシャ−=ディ−スカウ(バリトン) ジョン・クーパー(オルガン) コヴェントリー祝祭合唱団 聖トリニティ少年合唱団 メロス・アンサンブル(小アンサンブル) ベンジャミン・ブリテン(小アンサンブル指揮) バ−ミンガム市交響楽団 メレディス・デイヴィス(指揮) 録音時期:1962年5月 録音場所:イギリス、コヴェントリー大聖堂 録音方式:モノラル(ライヴ) テスタメント CD SBT1490(輸入盤) オ−プンプライス ブリテン『戦争レクィエム』世界初演ライヴ録音登場! ライナーノーツ日本語対訳付 2013年はブリテン生誕100周年ということもあって、多くのブリテン作品がリリースされ、代表作『戦争レクィエム』についても、ヤンソンス、マクリーシュ、パッパーノの新録音に、初出のアンチェルのライヴ録音などが発売された。今回登場する音源は、1962年5月におこなわれた『戦争レクィエム』世界初演のライヴ録音というもので、1940年のドイツ空軍の爆撃で瓦礫と化したコヴェントリー大聖堂を22年ぶりに再建することとなった記念の祝賀献堂式のために委嘱された作品という背景を考えると、非常に貴重なドキュメントといえる。 委嘱を受けたブリテンは、1960年から翌年にかけて、集中的に『戦争レクィエム』の作曲に取り組み、反戦の決意と平和への祈願を作品に投影させている。『戦争レクィエム』は、大小2群のオーケストラと混声合唱、3人の独唱者によって演奏され、全体は6つの楽章から成り、ラテン語による通常のミサ典礼文の間に、第一次世界大戦で殺された詩人ウィルフレッド・オーウェンによる英語の詩が挿入される変則的なスタイルで構成されている。ラテン語部分は合唱とソプラノが、英語の詩の部分は独唱者が担当。天使のような少年合唱やソプラノの澄み切った美しさから、金管セクションや打楽器、オルガンによる圧倒的なサウンドまで駆使したスコアにより、ショスタコーヴィチが20世紀最大の傑作と称えたことでも知られている。 初演の指揮は、ブリテンの信頼篤かったイギリスの指揮者で合唱指揮者のメレディス・デイヴィスが受け持ち、ブリテンは小オーケストラの指揮を担当、ソリストは、戦時中、アメリカ軍の捕虜となった経験のあるフィッシャー=ディースカウと、戦争直前にブリテンとともに渡米し、帰国後は良心的兵役拒否者となったピーター・ピアーズ、そして当初予定されていたヴィシネフスカヤがソ連政府の命令によりキャンセルとなったため、急遽出演することとなったヘザー・ハーパーが受け持った。この初演録音は歴史的にも非常重要なもので、ドキュメントとしての意義を詳述したライナーノーツも素晴らしく、しかも日本語対訳も付いているので、マニアには注目度の高いリリースだ。 2014.03.24 Monday
尾高忠明が来年3月、札響音楽監督を退任
尾高忠明が来年3月、札響音楽監督を退任
尾高は、札響で1981年から1986年まで正指揮者、1998年から2004年まで常任指揮者を務め、芸術面の最高責任者である音楽監督に就任したのは2004年5月であった。札響の理事会では尾高自身の「楽団のさらなる発展のために退任したい」との意向を示し、承認されたという。尾高は、2015年3月21日から30日まで台湾で行われる海外公演が音楽監督としての最後の指揮となる。なお後任は未定としている。 2014.03.24 Monday
欧州クラシック通信(2014.03.24.)
テアトル・レアルの音楽監督にボルトン
テアトル・レアルの音楽監督は、前任のヘスス・ロペス・コボスが劇場側との確執が続き、早期辞任したことから、その後任選定を加速していた。 文:三宅坂 幸太郎(音楽ジャ−ナリスト) 2014.03.20 Thursday
50年前の伝説の『フィデリオ』全曲 ベルリン・ドイツ・オペラ
50年前の伝説の『フィデリオ』全曲 ベルリン・ドイツ・オペラ
レオノーレ:クリスタ・ル−トヴィヒ(ソプラノ) フロレスタン:ジェイムズ・キング(テノール) ドン・ピッツァロ:ウァルタ−・ベリ−(バス・バリトン) ロッコ:ヨ−ゼフ・グラインドル(バス) ドン・フェルナンド:ウィリアム・ドゥーリー(バス) マルツェリーネ:リサ・オットー(ソプラノ) ヤキーノ:マルティン・ヴァンティン(テノール)、他 演出:グスタフ・ルドルフ・ゼルナー 装置、衣装:ヴィルヘルム・ラインキング ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団 アルトゥ−ル・ロ−タ−(指揮) 収録時期:1963年4月 収録場所:ベルリン・ドイツ・オペラ(ライヴ) 収録時間:124分 画面:モノクロ、4:3 NTSC Region All 音声:PCMモノラル 字幕:独、英、仏、西、伊、韓、日 アルトハウス DVD 101597(輸入盤) オ−プンプライス ベルリン・ドイツ・オペラの歴史的名演 ベートーヴェン:『フィデリオ』 ルートヴィヒ、キング、ローター指揮 日本語字幕付き 1912年11月7日、ベルリン市立歌劇場として『フィデリオ』でオープン(音楽監督:イグナーツ・ワーグハルター)し、以降、たびたび名称を変更し、またブルーノ・ワルター、アルトゥール・ローターを始め、数多くの大指揮者を監督とし、その歴史を紡いできた旧西ベルリン唯一の歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ。 1943年には空襲で建物が破壊されるも1961年に再建され、その際にはフリッチャイの『ドン・ジョヴァンニ』でこけら落としが行われ、この模様は映像(ARTHAUS101574に収録)でも観ることができる。ここでは創立50周年を記念する公演として、また我が国のオペラ史に燦然と輝く初の本格的引越公演としても上演された『フィデリオ』である。 1963年10月に東京日比谷に落成した日生劇場のこけら落とし公演では、指揮者はカール・ベームで、初日にはドン・フェルナンドにフィッシャー=ディースカウが出演するという豪華版だったが、この映像は、その年春の公演のライヴである。来日時のほぼ同じキャスト、スタッフが名を連ねている。ただし指揮者はベームではなく、アルトゥール・ローターだ。 ローターは空白期間はあるものの、1934年からずっとこの歌劇場に関与し、多くの演奏を行ってきた人で、彼の指揮はベームに比べるとさすがに生ぬるいが、手堅さが取り得の演奏。歌手にはすでに国際的名声を得ていたクリスタ・ルートヴィヒ、メトロポリタン歌劇場で名を馳せていたジェームズ・キング、当時33歳の新鋭ヴァルター・ベリー、そしてバイロイトを中心に活躍していたヨーゼフ・グラインドルと、当時最高の「ドイツ・オペラの歌い手」が集結した理想的なキャストが揃っていて、いずれも歌の巧さを超えたキャラクターの把握ということで見事な成果をあげている。合唱も初来日時の批評にあるとおり、圧倒的な迫力で、特筆すべきものがある。なお「レオノーレ」序曲第3番は演奏されていない。 演出はグスタフ・ルドルフ・ゼルナー。彼は当時この歌劇場のインテンダントだった人で、映像を観ると、奥行きの知れない暗黒の世界に簡素な小道具を置いた象徴的な舞台であり、それだけに第2幕の明るい最後の場面が生きている。今でこそ珍しくない手法ではあるが、当時の日本のオペラ界に大きな衝撃を与えた事件だったことは今なお強く記憶に焼きついている。映像はモノクロ、録音はモノーラルで、日本語字幕あり。 2014.03.18 Tuesday
欧州クラシック通信(2014.03.18.)
ゼンパーオーパー・スキャンダルの続報
就任前に解雇されたインテンダントのドルニーは、ザクセン州政府を相手取って不当解雇の訴訟を起した模様だ。インテンダントは州政府で働く公務員だから、むやみに解雇する事は出来ないという主張を展開しているらしい。ただし解雇の撤退を訴えているわけではなく、あくまでも損害賠償を求めている(もうこんな所では働けないということ)。任期の5年分の給料を払ってもらえればそれで良しというのがドルニ−側の主張のようだ。 ゼンパーオーパーを解雇されたドルニーは、今シーズンまでリヨン国立オペラの支配人でもあった人で、そのリヨンの職員などがドレスデンの決定に対して反対する公開書簡を新聞に載せている。その理由も、支配人は公務員扱いだから解雇は不当ということ。自分の劇場のトップを無断で引き抜いておいて、トラブルの後にお返ししますといわれても、受け入れられないと言っている。リヨン歌劇場としても、後釜支配人の元新しい体制で運営していく計画なのに、ドレスデンの余波でまた計画変更になるのは困るという事のようだ。この問題はそう易々とは決着にならないのではないか。 文:三宅坂 幸太郎(音楽ジャ−ナリスト) 2014.03.17 Monday
欧州クラシック通信(2014.03.17.)
ウェルザ−=メスト、3月のウィ−ンをキャンセル
文:三宅坂 幸太郎(音楽ジャ−ナリスト) 2014.03.17 Monday
ヤンソンス/ベートーヴェン:交響曲全集(映像)
ヤンソンス/ベートーヴェン:交響曲全集(映像)
ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調 op.60 ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 op.55『英雄』 収録時期:2012年11月26日 特典映像:マリス・ヤンソンス インタビュー(約9分) Disc2 ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 op.21 ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 op.36 ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 op.67 伝ハイドン:弦楽四重奏曲ヘ長調 op.3-5『セレナード』から第2楽章(アンコール) 収録時期:2012年11月27日 Disc3 ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 op.68『田園』 ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 op.92 シューベルト/ティエルオ編:『楽興の時』第3番 D.780(アンコール) 収録時期:2012年11月30日 Disc4 ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調 op.93 ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 op.125『合唱』 クリスティアーネ・カルク(ソプラノ) 藤村実穂子(アルト) ミヒャエル・シャーデ(テノール) ミヒャエル・フォレ(バス) バイエルン放送合唱団 バイエルン放送交響楽団 マリス・ヤンソンス(指揮) 収録時期:2012年12月1日 収録場所:東京、サントリーホール(ライヴ)
収録時間:本編391分、特典9分 画面:カラー、1920×1080i FullHD 音声:96Khz/24bit 2chリニアPCM、5.0chリニアPCM/5.0chドルビーデジタル 字幕:日本語 NHKエンタ−プライズ NSBX18602(4枚組) ¥28,560
収録時間:本編391分、特典9分 画面:カラー、16:9 音声:2chリニアPCM/5.0chドルビーデジタル 字幕:日本語 NTSC NHKエンタ−プライズ NSDX18607(4枚組) ¥19,740 満を持して開催された2012年の日本公演の歴史的記録が映像でリリース! マリス・ヤンソンス&バイエルン放送交響楽団 ベートーヴェン:交響曲全集 今年70歳を迎えたヤンソンスの破竹の勢いは止まらない。昨年発売された同コンビによる日本公演の直前まで録音を行っていたBRクラシック・レーベルの『ベートーヴェン:交響曲全集』のCDでは、現代オケの到達点とも言える演奏水準を確保した上で、ヤンソンスの『今』のベートーヴェン解釈が興味深く散りばめられていた。今回発売される映像は
「ベートーヴェン・ツィクルス」として開催された両者の昨年来日時のもので、全てサントリー・ホールでのNHKによる収録で、アンコール曲も収録されている。ヤンソンスの基本的な解釈は前出のCDと同じとはいえ、そこにはさらにその場に同席したものにしかわからない〈感興〉が加わり、極めて魅力的な映像作品となっている。
この映像全集では、サントリーホールでおこなわれた4日間の公演を、高音質&高画質で丸ごと収められている。ヤンソンスのベートーヴェン解釈は、既に多くが語られているのでここでは蛇足であろう。ひとつ言えるのは、例えコンサートに行けなかったとしても、今や追体験が容易にできるという事。もしかして当日聴いた席より環境が上かも知れない、としたら微妙に困ったことになるかも知れないが・・・。 尚、今回発売されるDVDバージョンではなく、もう一方のブルーレイの方ではさらなるアドヴァンテージがある。通常の5.0チャンネルサラウンドに加えて、2チャンネルの24bit/96kHzの非圧縮のハイレゾ音源が何と収録されている。例えばこのブルーレイ音源を通常のステレオ装置に繋げば、映像はなくても、ハイレゾの高品位オーディオ音源としても機能する。ブルーレイでは映像も画質が優れているし、さらに音質にも気が配られているのだ。
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